テキストについて
私たちは「神シリーズ」から読書会をはじめました。新潮社からこのような作品が発表され、増刷をかさねていたことは
たしかに驚きでした(※)。ほかの読者はどのように受けとめているのだろう? ―― それが読書会をはじめた直接的な原動力だったかもしれません。
代表作である『人間の運命』は当然よみました。
その後、「芹沢光治良文学館」に収録された短編集にとりくんでいます。
「ジャーナリズムで死ぬ覚悟をして」書いたという渾身の代表作とはちがって、そのときそのときを、ひとりの作家として、ひとりの男として、ひとりの父親として、ひとりの夫として、どんなふうに生きていたのか。そういう言わば等身大の芹沢光治良をもとめて、生の芹沢光治良に会いたくて、また、会えそうな気がして読んでいます。
このような作品群は、読書会でもなければ私は絶対に読まなかったと思いますが、そのような意義をつくづく感じています。
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2004年12月から「芹沢光治良文学館(11) ―― エッセイ 文学と人生」にとりくみます。途中作者自身にコメントされる様々な作品に派生しながら楽しくやっていきます。(2004.10.24)
※ 1986年の出版以来15年間増刷を繰り返した作品で(シリーズ各作品とも)、これほど長きにわたって絶版にならなかったことは昨今の出版事情では他に例をみないものだそうです(新潮社・談)。
※『神の微笑』は絶版になる平成十三年までに、二十八刷、六万三千五百部に達している。――神渡良平著
『星降るカミーノ――魂の旅路』(PHP研究所) p244より (2004.09.30)
「テキストについて(発掘作業だ!)」はこちら
(2006.06.26)
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