― しあわせへの道しるべ ―

芹沢光治良の文学の世界を ささやかながら ご案内いたします。新本、古本、関連資料も提供いたします。

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Serizawa Kojiro

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『神の微笑』文庫化によせて――読者の声

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13
『神の微笑』との対話
12 遠い日の記憶が甦る
11
新たな <芯> が芽生えた
10
自殺願望からすくわれた
9
文庫化に賛辞をおくりたい
8
私は心の中で叫びました!
7
平易で、なくなめらかでわかりやすい文体
6
とらわれないことの むずかしさ
5
これは希望の書だ
4
一気に読ませる面白さ
3
完全にとりこになりました
2
胸の動悸が治まらない
1
感謝できるようになりました
注釈
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『神の微笑』文庫化によせて――読者の声

9) 文庫化に賛辞をおくりたい

戦後,日本人の作家として最初にノーベル文学賞の候補になった作家の晩年のシリーズの第1作。さまざまな意味で話題になった小説の文庫化である。

最近の芥川賞にみられるように,明らかにきわどい題材でないと話題にならないような風潮があるなか,この種の地味な作品が文庫化されることには心から賛辞をおくりたい。

ただ芹沢の作品を読み慣れた人間としては,基本的に題材そのものは他の作品でも扱われているものがほとんどであり,まずあっさりと読める本かというところ。

評者も芹沢の一連の作品を読んだなかで,芹沢が晩年にこのような作品を執筆することは妥当という判断をしており,一部で指摘され,あるいは作中の主人公がいうように,決してこの一連のシリーズが特異なものとはいえないような気がする。

ただし,集大成というには,このシリーズは作品の質がそれぞれにおいて,極端に異なっており,そのような考え方は芹沢の作品をあまり読んでいない人間には誤解をされるおそれがある。

むしろ,昔の小説とは面白いものというわけではなく,人生とはなにかとか,そういうことを考えるためのものだったんだよ,とそう教えた方が,むしろ若い人には親切かもしれないし,新鮮にうつるかもしれない。

作品の評価が意外と低いことに驚くむきもあるかと思うが,フィクションとしてこの作品を読んだ場合,むしろこのぐらいの評価に落ち着くものだと思われる。後は,読者それぞれがこの作品をフィクションとして読むか,宗教書の1冊として読むかそれによって評価が変わるのではないだろうか。

「5秒で読める書評」より

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※ リンクがはずれている箇所を発見されたら、ご一報くだされば幸いです。(2004.11.04)